1996年(平成8年)島根県雲南市加茂岩倉で農道建設工事中に銅鐸発見
1か所から同時に39口の出土は現在も最多です。
それを記念してダイカスト鋳造メーカー経由で弊社に金型の依頼が舞い込んできました。
製作にあたり、出土した銅鐸の写真・寸法を入手。
また、図書館で文献を読み、製作起源は弥生前期、文様は縄文晩期のものと推測されました。
銅鐸の製造方法
- 粘土(木型)で形を作り、模様はとがった物で引っ掻く。
- 砂や粘土に1を2ケ転写。空洞部は転写した型に中子を取り付ける。
- 2を合わせて「鋳造」
- 鋳込み材料(出土した銅鐸)は青銅
この技法が、鋳造仏像・大仏・梵鐘の鋳造法に繋がった。
日本海側(島根県出雲)に特に多くこの製法の銅鐸が出土する事から、日本海を渡ってきた技術と推測されます。
形はいずれも釣鐘形状で、上部に2か所穴があります(空洞にするための製法上のものか?)。
表面に描かれた絵には、トンボ・鹿・狩り・米つきなどの当時の農耕生活が表現されています。
思いを馳せての金型製作でした。
(2020年記 廣瀬清次)